【第9回】農業大賞(2014年)


※社名、肩書き、名称、年齢、文中の数字などはすべて受賞当時のものです。

農業の部 農業大賞 北海道知事賞

有限会社 大牧農場(音更町)

戦後入植して開墾されたなか音更地区で農業を営む3軒の生産者、イソカワファーム、カシノキファーム、村橋農場によって設立された大牧農場。代表の五十川勝美さんは1947年生まれ。この地に入植した農家の2代目です。
劣悪な土地条件の中で努力を重ね、現在では3軒合わせて約400haの栽培面積を持つまでに成長。主にジャガイモ、大豆、小豆、ナガイモなどを生産。また、最新鋭の設備で堆肥作りにも取り組み、科学的データに基づいた土づくりを行うなど環境にも気を配り、持続可能な大規模農園経営を目指しています。
3軒の農家とも今は3代目が主力。こうした後継者へのバトンタッチがうまく行っていることも大賞受賞のポイントになりました。
(写真:農場を構成する3農家の皆さん)

農業の部 農業大賞 コープさっぽろ賞

株式会社 大雪を囲む会(道内全域)

2010年に設立された「大雪を囲む会」は美幌町に本社を置き、小清水町、上富良野町、滝川市などに点在する11軒の有機生産農家が参加している組織です。統一ブランドで、ニンジン、ゴボウ、タマネギ、ジャガイモなどを出荷しています。
法人としての代表は美幌町の一戸義則さん。一戸農場としても2011年の第8回コープさっぽろ農業賞で奨励賞を受賞されています。
この時の現地審査で訪れたのは、構成メンバーの「一心生産組合」(上富良野町・村上多麻夫さん)です。ほ場は十勝岳のふもとの山間地にあり、「大雪を囲む会」のニンジン選果場も併設しています。
(写真:一戸義則さんと村上多麻夫さん)

農業の部 農業大賞 優秀新規就農者賞(第9回より新設)

押谷農園(長沼町)

「優秀新規就農者賞」はこの第9回より新たに設けられました。概ね就農15年以内の意欲的な生産者を対象とし、新規ならではの斬新な取り組みを応援することも目的の1つです。
初代受賞者は、長沼町で主にアスパラを生産している押谷農園です。代表の押谷行彦さんは関西出身の44歳。26歳のときに農業を志して北海道へ移住し、恵庭の余湖農園で研修を受け、1999年に長沼町で新規就農しました。科学的なアプローチを取り入れ栽培の管理に取り組むとともに、庭園を作って農業景観にもこだわるなど、奥様の志都香さんと二人三脚で農業の可能性に挑戦しています。
また新たな新規就農希望者の研修を受け入れたり、長沼に残る防風林を整備保存する活動に参加したり、地域に貢献されています。
(写真:押谷行彦さん・志都香さん夫妻)

農業の部 農業大賞 特別賞

ありがとう牧場(足寄町)

牧場主の吉川友二さんと奥様の千枝さんは2000年に新規就農。縁あって足寄の市街地から車で15分ほどの山間部にありがとう牧場をスタートしました。かつて吉川さんが酪農業で働いたニュージーランドをモデルに、放牧を中心とした牛にストレスのない循環型酪農に取り組んでいます。青草を食べた牛のミルクはタンパク質が多くてほんのり甘く、分析数値にも表れています。また牧場内の「しあわせチーズ工房」はこの放牧牛乳を用いてチーズを生産。牛肉は「サラダビーフ」として期間限定で販売も行っています。
(写真:吉川友二さん・千枝さん夫妻)

株式会社 岡本農園(中札内村)

農園主の榊孝弘さんは元国家公務員。奥様の園さんの実家がもともとの岡本農園でしたが、義理のお父様が急に病に倒れ、準備も万全ではない中、農業を引き継ぐことを決めました。
様々なチャレンジと気づきを経て、新しい視点で6次産業化に取り組み、農園併設の加工場と直売所をオープン。ミニトマトを使ったジュースやスイーツなどを作り販売しています。農村景観の整備や、地元イベントへの協力にも積極的に取り組んでいます。
(写真:榊孝弘さん・園さん夫妻)

鳥羽農場(足寄町)

人の背丈を越えるほど大きく成長するラワンブキ。足寄町の特産として、北海道遺産にも指定されています。鳥羽農場はラワンブキの栽培に取り組み、守り続けている農家です。農場主の鳥羽秀男さんは様々な試行錯誤を繰り返し、有機農法によるラワンブキの栽培に成功しました。
また、地域の財産であるラワンブキを子どもたちに伝えていくため、奥様の昇子さんを中心に地域の小学生に対する食育活動にも熱心に取り組んでいます。
(写真:鳥羽秀男さん・昇子さん夫妻)

農業の部 農業大賞 農業奨励賞

政田農園(森町)

政田農園は戦後開拓で先代が入植し、駒ケ岳の火山れきの残る厳しい自然環境の中、畑作に取り組んできました。2代目の政田道明さんは消えつつある日本在来種の栽培、種の保存にも取り組んでいます。品種が豊富な直売所や、手作りの体験交流施設で、消費者との直接交流にも積極的に取り組んでいます。
(写真:政田道明さん・恵美さん夫妻)

リトルファームおかじま(赤井川村)

農園主の岡島勝さんは、赤井川村で新規就農して18年目です。第6回コープさっぽろ農業賞で大賞・コープさっぽろ賞を受賞した「どさんこ農産センター」に所属し、役員としても活躍されています。元・流通系企業のサラリーマンとしての経験を活かし、農業経営指導にも関わり、実績を上げてきた点も評価されました。
(写真:岡島勝さん夫妻)

滝下農園(余市町)

農園主の滝下純一郎さんは、1984年に東京から余市町に移住して新規就農しました。平飼い養鶏を中心とした循環型有機農業を営んでいます。そこで採れる卵を販売するほか、養蜂を営む息子さんの作ったはちみつで作ったシフォンケーキやカステラも製造・販売しています。
仲間とともに小樽市中心部で定期的に開催されている農家マルシェにも参加し、消費者との交流も積極的に行っています。
(写真:滝下純一郎さん・佐代子さん夫妻)

十勝うらほろ高橋農園(浦幌町)

高橋農園はラズベリーに特化して生産している農園です。農園主の高橋徹さんは釧路出身の42歳、酪農学園大学を経て2001年に新規就農しました。奥様の幸子さんとともに、クッキーやジャムなどのラズベリー関連商品を廃校となった建物を利用した加工場で製造し、道の駅などで販売しています。
(写真:高橋徹さん・幸子さん夫妻)

株式会社 西川農場(美唄市)

農場主の西川崇徳さんは2008年に羊の飼育を始めました。羊のブランドは「アスパラひつじ」。美唄ではアスパラの生産が盛んですが、商品になるときに出る軸の切り落とし部分は、従来廃棄されていました。しかし西川さんはその部分に注目、羊に餌として食べさせたところ肉質の向上が見られたようです。アスパラひつじは、ブランドとしての認知度も上がっています。
(写真:西川崇徳さん)

漁業の部 漁業大賞 コープさっぽろ賞

散布(ちりっぷ)漁業協同組合(浜中町)

太平洋とつながっている汽水湖の火散布沼でウニの養殖に取り組んでいます。さまざまな試行錯誤の末、養殖に成功しました。餌は拾い昆布なので環境にも優しく、ウニの風味もおいしくなります。今では天然物を超える価格で取引されるまでになりました。以前はコンブ漁をメインに行っており、冬期は漁師は出稼ぎに行かなければならない環境でしたが、養殖が成功することで通年の稼働が可能になり、後継者も揃うようになりました。
(写真:散布漁業協同組合の皆さん)

漁業の部 漁業大賞 漁業特別賞

石崎水産(日高町)

石崎水産の石崎忠幸さんは72歳の現役漁師で、カレイ刺し網やタコ漁を営んでいます。自ら採った魚で加工品も製造。昔ながらの製法で丁寧に作る加工品は大人気で、全国のお客様から注文が届きます。石崎さんは漁だけに頼らない漁業を目指して、加工品作りを始めました。今では海外からも視察にやってきます。漁業を通じた食育にも熱心に取り組み、地域の社会教育にも積極的に協力しています。
(写真:石崎忠幸さん)

漁業の部 漁業奨励賞

朱鞠内湖淡水漁業協同組合(幌加内町)

朱鞠内湖は日本最大の人造湖で、昔からワカサギ漁が行われてきました。関西出身の中野信之さんが代表を務めるNPO法人シュマリナイ湖ワールドセンターは、途絶えかけたワカサギ漁を引き継ぐとともに、ワカサギの加工に取り組み「サクッと!ワカサギ」という商品として販売しています。この商品は「北のハイグレード食品」にも選出され、高く評価されています。
ワカサギやルアー釣りの釣り人を受け入れるとともに、朱鞠内湖に生息するイトウを保護し、湖の資源を守る活動にも取り組んでいます。朱鞠内湖に魅せられてやってくる若者や移住者を受けいれ、定住者を増やし、地域の活性化に貢献している点も評価されました。
(写真:中野信之さん夫妻)

農業漁業交流賞部門 農業漁業交流賞・札幌市長賞

有限会社 多田農園(上富良野町)

多田農園は上富良野の開拓農家として、にんじんなどの野菜栽培に取り組んできました。3代目となる多田繁夫さん・三帆子さん夫妻は、農家としても活躍しながら、農家民宿、教育ファームとしての取り組み、障がい者とともに働くソーシャルファームの展開、ワイン用ブドウのオーナー制度など様々な形で農村都市交流を進めてきました。ワイン用ブドウはピノ・ノワールなどを生産し、現在ワイナリーに委託醸造を行っていますが、2016年にはワイナリーの開設を目指しています。
(写真:多田繁夫さん)

農業漁業交流賞部門 農業漁業交流賞 交流特別賞

志比内小学校(東神楽町)

山村留学を受け入れている特認校であり、全校生徒10名の小さな小学校です。毎年テーマを決めて食に関する取り組みを行っていますが、昨年(2013年)は1年かけてオムライス作りに取り組みました。地域の生産者からいただいた有精卵から鶏を育て、その鶏が産んだ卵をオムライスに使ったり、トマトを育ててケチャップを作ったり、材料のすべてを子どもたちが地域と協力する中で揃えました。こうして完成したオムライスは、子どもたちのオリジナル。試食会には父母はもちろん地域の皆さんが招かれました。学校教育における食育の1つの理想形として高く評価されました。
(写真:志比内小学校の児童と先生)

有限会社 松山農場(美深町)

松山農場は美深町の中心部から車で30分かかる仁宇布(にうぷ)地区にあります。柳生佳樹さん・貴子さん夫妻は羊農家とファームインを経営。羊肉や羊乳製品を作っています。
この地区の風景が小説家・村上春樹さんの作品に出てくる風景にそっくりという説があり、ファンの間では聖地のような存在になっています。松山農場では彼の作品を朗読する会を開き、全国から訪れるファンとの交流も行っています。
また柳生さんは美深町の特産となっている「白樺樹液ドリンク」の仕掛け人でもあり、地区では毎年春に白樺樹液まつりを行っています。
(写真:柳生佳樹さん・貴子さん夫妻

札幌新陽高校・アグリクラブ・アグリレッスン(札幌市)

札幌市南区にある高校。普通科の高校でありながら、農業の授業を行い、校内に畑を作って生徒がその世話をするという取り組みが評価されました。さっぽろオータムフェストなどのイベントにも参加し、自分たちの作物で加工品を作って販売しています。
当麻町にも実習用の畑を持ち、定期的に生徒が農業体験を行っています。
(写真:アグリクラブの皆さんと先生)

あけぼのファーム(札幌市)

札幌市の市街地で統合されて廃校になった旧・あけぼの小学校を活動の場として農業・農業体験に取り組んでいる団体です。
小さな畑ながらも多彩な作物を育て、仲間が加工品を作っています。天使大学や近くの専門学校とも協力し、地域に根差した活動を行っています。

ふれあいの里(江別市)

江別市内の10軒以上の農家が参加し、国道275号線沿いで農産物直売所を経営しています。江別市の学校給食にも協力、地域の子どもたちとの交流にも熱心に取り組んでいます。
大都市近郊の農家という立地条件を生かした多彩な交流事例が評価されての受賞となりました。

写真部門 1枚写真の部 写真の町東川町賞

昆布干し場で働く人達(勝山重雄さん・釧路市)

写真部門 1枚写真の部 コープさっぽろ賞

あった!トゲトゲいっぱい!(佐々木舞さん・札幌市)

写真部門 1枚写真の部 奨励賞

補植の湖畔(国岡洋一さん・札幌市)

スイカ大好き(川守田佳奈さん・美唄市)

未だ観ぬ魅来へ(井田マリ子さん・幕別町)

ランチタイム(加藤憲秋さん・恵庭市)

いっぱいとれたヨ(竹田徹夫さん・知内町)

4枚組写真の部 コープさっぽろ賞

深呼吸(児島舞さん・釧路市)

4枚組写真の部 奨励賞

また明日(鈴木瑛大さん・東川町)

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