忘れられない、思い出の味。

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2020年6月10日

佐々木十美さん「蒸しまんじゅう」

 誰にでも「もう一度食べたい!」と思う 記憶の味があります。そしてその記憶は その人の“食の原点”になっているはず。 北海道の食の分野で活躍する皆さんの 味覚を育んだ「あの味」をお聞きします。
 第2回は管理栄養士・食のアドバイザーの佐々木十美(ささきとみ)さんです。

取材・文・編集/青田美穂 撮影/石田理恵 イラスト/こぐれけいすけ


佐々木 十美さん
1951年置戸町生まれ。名寄女子短期大学栄養学科(現・名寄市立大学)を卒業後、72年から置戸町立学校給食センターの栄養士を務めてきた「給食の母」。NHK“プロフェッショナル 仕事の流儀”への出演や、自身による著書も多数。

佐々木十美さんの思い出の味は・・・「蒸しまんじゅう」

母は小麦粉、卵、牛乳、砂糖、ベーキングパウダーで皮を作っていましたが、蒸しパンミックスなどで代用してもいいと思いますよ。あんを炊くのが大変なら、缶詰の小豆を煮詰めて、好みの硬さと甘さに調整を。

熱したては熱々ふわっふわでね。つぶあんの日はラッキー!って(笑)

 子どもの頃は、冷蔵庫も冷凍庫もガスもなく、調理はもっぱらまきストーブ。私は10人きょうだいの末っ子で、特に一番上の姉とはかなり年が離れていましたので、忙しい母に代わり姉もよく料理を作ってくれました。うちは「子どもにはお腹いっぱい食べさせろ」というのが家訓で、貧乏でしたが何でも手作りで「食べるのは楽しいこと」と教えてもらいました。今では手作りの方が貴重ですが家庭の味しか知らず、外食もあまりしたことがなかったので、名寄の短大に進学して初めて“広東麺(かんとんめん)”を食べたときは驚きましたね。「世の中にこんなおいしいものがあったなんて!」って(笑)。今でもあの衝撃は忘れられません。
 給食作りを始めた当初は、決められた通りに市販品を使っていましたが、私が普段使っていないものばかりで「大量調理ってこんな感じ?」と戸惑いました。慣れてきた頃、やっぱり「自分がおいしいと思わないものを子どもたちに出したり、近くで山菜がとれるのに買ってきたレトルトの水煮を使うのはどうなんだろう」と、地元の旬の食材や手作りのダシ、無添加調味料を取り入れるようにしました。小さいときに食べた記憶って、すごく大事なんです。
 忙しい中「全部手作りで!」と頑張らなくても大丈夫。市販の材料を活用しながら“子どもと作る”、“アレンジする”など「少し手を加える」だけで、買ってそのまま出すのとは全然違います。「子どもがご飯を食べないので追いかけてでも食べさせる」というお母さんもいますが「お腹が空いたら食べるから放っておきなさい」と言っています(笑)。食事は絶対に楽しくなくちゃダメ!まず「自分にとって楽しいおいしい食事とは?」を思い浮かべるといいですよ。それが子どもにとっても、楽しくおいしい食事だと思いますね。

年の近い姉、兄と。笑顔が今と同じ!(後列左)

兄や姉がお盆に帰省し久々に集合(左から3番目)

十美さんがメニューをプロデュース

 佐々木十美さん監修のお惣菜「素材と調味料にこだわった十美さん惣菜シリーズ」をコープさっぽろデリカコーナーや宅配システムとドックで販売中。添加物を使用せず、素材そのものの味を生かした、体に優しいおいしさです。

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