環境教育活動

札幌市円山動物園コラボ企画 どんぐりプロジェクト

子どもたちが夢中になって集めたどんぐり。眼の前でヒグマがばりばりと豪快に、エゾシカがぽりぽりと美味しそうに、食べたり、エゾリスがコソコソと大切そうに冬の食料として地面に埋めたりしている。その姿を、子どもたちはまた夢中になって目をきらきらさせて見つめている。

コープさっぽろはホッキョクグマを中心に、札幌市円山動物園の支援を続けてきました(ホッキョクグマ応援プロジェクト)。だからともに動物たちの将来に向けて何に取り組むべきなのかを考えてきた仲でもあります。
円山原生林に隣接する動物園では、原生の北海道の森の復元に興味があったし、園内に来園者が憩える木陰を増やしたいとも考えていました。だから、森づくりをベースに活動していて、せっかくのつながりなのだから動物園にも木を植えたいと考えていたあすもりと、思いが重なる部分があったのです。

動物園の役割のひとつに環境教育というものがあります。動物たちの生きる姿やその向こうに見える多様な地球環境を通して、地球を大切にする気持ちを育むのです。動物園とともに、動物園の中に森づくりができるなら、環境教育を取り込むことが自然。来園するたくさんの人が森づくりや環境問題に接し、学ぶチャンスが、動物園にはあるからです。
そこで「動物園の中で」「環境教育プログラムを」行うこととしました。テーマは森と生き物たちのつながりを知ることであり、そこには森づくりも含まれます。動物園、円山原始林という環境と、動物園ボランティア、動物専門員(飼育員)という贅沢なリソースを使って、四季の森と動物について学びます。

プログラムの例は次のようなものになっています。

春 「春の目覚めと成長を観察しよう」

1. 春の森の動物と植物 スライド 春の生き物たちがどんな生存戦略をとっているのかを講師が解説
2. 春の森に行ってみよう 動物園の森 春の森の生き物をさがしてみる。スライドで見たような生き物たちの戦略を観察できるかな?雪解けの池の動物たちや冬眠明けのヘビなどが観察ポイント。
3. 春の両生類・爬虫類の生態を観察する 動物園 動物園の「は虫類・両生類館」で北海道のは虫類・両生類について、動物専門員から話を聞く
4. 植栽のどんぐりの成長 動物園 どんぐりプロジェクトで植えたどんぐりの成長を観察し、記録する。
5. 春の動物園の動物たち 動物園 移動しながら観察。エゾシカは春になると角がなくなることなどを見る。
6. ふりかえり 室内 その日にあったことを思い出してまとめ、みんなで共有する。

夏 「虫の目で札幌の森を見てみよう」

1. 動物の顔のひみつ スライド 動物にはさまざまな顔があってそれぞれ戦略が違う。目の位置や歯の形に注目しながら動物たちの生存戦略について学ぶ
2. 夏の森の生き物たちを見に行こう 動物園の森 暑い夏には昆虫たちは石や倒木にかくれている。様々な生き物に出会う。
3. 動物たちの顔を見にこう 動物園 動物園の動物たちにもさまざまな顔がある。シカとオオカミの顔つき、食べ物の違いなどを見る。
4. 植栽のどんぐりの成長 動物園 どんぐりプロジェクトで植えたどんぐりの成長を観察し、記録する。
5. 動物の食べ物は 動物園 動物の餌の貯蔵庫に行ってみる。さまざまな動物の食べ物を見ながら、多様な動物の生態と生存戦略について考える。
6. ふりかえり 室内 その日にあったことを思い出してまとめ、みんなで共有する。

秋 「木の実を利用する生きものたち」

1. 木の実と秋の動物たち スライド 樹木の生存戦略の違いやリスを例にした、越冬のための生存戦略について学ぶ
2. 実りの森にでかけよう 動物園の森 森でさまざまな木の実を見る。大きな実や小さな実、数が少なかったりたくさんあったり、たくさんの種を探す。
3. 木の実の生存戦略を知る 動物園 講師から木の実の形や数によってさまざまな戦略があることを、実際の種を触ったり匂いをかいだりしながら学ぶ。
4. リスとどんぐり 動物園 動物園のリスにどんぐりを与え、どんな行動をするのか観察する。動物専門員の解説や、動物園での飼育の様子などを聞く。
5. 植栽のどんぐりの成長 動物園 どんぐりプロジェクトで植えたどんぐりの成長を観察し、記録する。
6. ヒグマとどんぐり 動物園 大きな体のヒグマもどんぐりが好きだという。動物専門員の解説とともに、どんぐりを食べるヒグマを観察する。
7. ふりかえり 室内 その日にあったことを思い出してまとめ、みんなで共有する。

冬 「冬の森で生き物はどんな暮らしをしているの?」

1. 冬の森の動物たちのお話 スライド 厳しい冬に動物たちはそれぞれ独特の方法で生き抜いていることを紹介
2. 冬の森を歩いてみよう 動物園の森 雪の森にはたくさんの足跡や何かを食べた跡が残っている。植物の種も観察できて、生き物たちがどのように冬越しをしているのかを見て回る。
3. 動物たちの姿をよく見ると 室内 実際の動物の頭骨や毛皮を触ったりしながら動物たちの生態について想像する。頭骨からは目のつき方や歯の形で食べ物の違いを、毛皮からはどうやって冬を乗り切るのか、その違いなどを想像できる。
4. 冬の動物たち 動物園 オオカミやワシ、フクロウなどの動物について、動物専門員からの解説を聞きながらそれぞれの冬の過ごし方を学ぶ。
5. ふりかえり 室内 その日にあったことを思い出してまとめ、みんなで共有する。

プログラムで特に気を使っていることは、森を直接感じること。動物を直接見ること。そして動物と森のつながりを知ること。

プログラムの中で、自分たちが集めたどんぐりを食べる動物たちを食い入るように見つめる子どもたち。きらきら光る瞳は皿のように見開かれていて、きっと学校の授業ではそう簡単にお目にかかれない表情なのだろうと思わされます。
こういうとき、子どもたちの頭の中ではきっとたくさんのものごとが生まれ、はじけ、つながり、途切れていることでしょう。それは、算数や国語のテストには大して役に立たない出来事かもしれないけれど、多様な生き物たちが網の目のように複雑につながる世界の有り様を理解し、今の美しい地球を未来につないでいくための、小さな種です。
子どもたちの頭の中で将来芽ぶくであろうこの「小さな種」を提供することこそ、「どんぐりプロジェクト」が目指す未来のための環境教育だと考えています。

動画で体験!

春のどんぐりプロジェクト〜雪解け一番 キーワードは「早起き」


夏のどんぐりプロジェクト〜豊かだけど命がけ

秋のどんぐりプロジェクト〜森は実りの季節 

冬のどんぐりプロジェクト〜冬の森と春待つイキモノ

概要

「どんぐりプロジェクト」とは

北海道の自然環境と野生生物のいのちの関わりと循環を学び、自然保護の知識・体験をしっかり身につけるために、「考えて、調べて、わかる」という活動を実施します。

2023年度スケジュール

2023年度
当別の森Aゾーンのミズナラの雪折木を剪定し、円山動物園の象へプレゼントしました。

過去のレポート

  • 2022年度 どんぐりプロジェクト報告レポート(中止)
  • 2021年度 どんぐりプロジェクト報告レポート(中止)
  • 2020年度 どんぐりプロジェクト報告レポート(中止)

主催:コープ未来の森づくり基金・札幌市円山動物園
協力:円山動物園 森ボランティアチーム
   NPO法人 北海道市民環境ネットワーク
   NPO法人 もりねっと北海道
   雪印種苗株式会社

問い合わせ先

コープさっぽろ環境推進グループ

TEL:050-1751-4868

FAX番号:011-671-7575

郵便番号:063-8501

住所:札幌市西区発寒11条5丁目10-1

メール:csapmori@sapporo.coop


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