【第6回】農業大賞(2009年)


※社名、肩書き、名称、年齢、文中の数字などはすべて受賞当時のものです。

農業の部 農業大賞 北海道知事賞

(有)グリーンサポート(上川町)

高齢化や離農による遊休農地の対策から上川町全体で農業支援システムを立ち上げ、行政、JA、生産者が協力し農地全体を個別完結型農業から地域循環型農業へ発展させた。その支援システムを現在(有)グリーンサポートが引き継いでいる。
大雪高原牛を生産する「肉牛部門」、ダイコン・バレイショ・ライ麦等を生産する「耕種部門」、上川町内の酪農家の粗飼料の生産、草地の更新を行う「農作業受託部門」、研修生の受け入れ、新規就農者の支援等を行っている「管理部門」に分かれており、いずれも独立採算制の体制を取っている。
(写真:代表取締役社長の藤田 輝雄さん)

農業大賞 コープさっぽろ賞

(有)どさんこ農産センター(赤井川村)

1974年に東都生活協同組合との間で産直が始まり、91年に16名で(有)どさんこ農産センターを設立。4品目の特別栽培に取り組み、中でもカラーピーマンの生産は全国2位の作付面積を誇る。2007年より農産物生産公表JASの認証を受け、08年からは日生協GAP(生産工程管理手法)を導入。新規就農者、後継者育成に力を注ぐとともに、社会貢献や食育活動など、活動の裾野が広い。08年には、これらの活動が評価され、土地改良事業地区営農優良事例として農林水産大臣賞を受賞。
(写真:代表取締役の二川 健司さん)

農業大賞 農業特別賞

NPO法人共働学舎 新得共働学舎(新得町)

1974年、長野県小谷村で、現代表の宮嶋望氏の父・宮嶋眞一郎氏が「心身に悩みを持った若者が生きていく場所をつくろう」と寄付を集めたことから始まった。共働学舎の4番目の牧場として78年に新得町に宮嶋望氏・京子氏が入植。81年に新得町農協の正会員となり、牛乳の出荷を開始。牛の数より働きたい人の数のほうが増えたことから、小規模でも収益性を高められる加工の道を選び、チーズ作りを開始した。宮嶋氏はアメリカで酪農を学び、その後チーズ作りに適したブラウンスイス種の牛を輸入。90年に「第1回ナチュラルチーズサミットin十勝」を開催、以後15年間続ける。2005年に消費者との交流センター「ミンタル」を建設。
(写真:代表の宮嶋 望氏)

農業生産法人(有)サンファーム(留寿都村)

羊蹄山麓の標高の高い地域で、冷涼な気候風土に即した農業を実践している。ニンジン、ゴボウ、アスパラガスなど、100ヘクタールに及ぶ農地で、「安全でおいしく、生命力溢れる野菜づくり」を経営理念に、有機質肥料や堆肥などを中心にした土作りを行い、農協に頼らない自社生産・自社販売を貫いている。とりわけ「雪の下人参」は、山間地の多雪地域の風土を生かし、雪の下で越冬させる。雪の下は温度が一定のため、凍らず、水分があり乾かないため、「味はマイルドで甘く、香りがよく、歯切れの良い食感」が楽しめる。
(写真:会長の奥田 慎治さん)

ファーム・レラ(東川町)

子どものアトピーがきっかけとなり、「自分や、家族に食べさせたいもの作りたい」と、1996年に生産者としてのスタートをきる。2007年に稚内市より東川町に移住。現在は平飼いで1,000羽を飼育し、餌はすべて、履歴のわかるものにこだわり、近隣の農家などの規格外品などを有効利用している。09年には、ファーマーズカフェをオープン。生産から、加工、サービスまでの提供を行うとともに、グリーンツーリズムにも積極的に取り組み、消費者との交流を図っている。
(写真:代表の新田みゆきさん)

農業の部 農業大賞 農業奨励賞

さわやかふぁーむ(七飯町)

脱サラして農業研修を半年経験した後、就農して9年目。ホウレン草を主体に、ハウス7棟ではじめ、現在27棟で、夫婦2人とパートさん3人で営農している。アトピーなどのアレルギーを持つ子どもたちが多く、食べ物も一つの原因と聞き、4年前から有機・無農薬栽培を始める。2009年度から特別栽培の認証を取得、今後の有機JAS取得に向かって取り組んでいる。連作障害には、堆肥・稲わら・米ぬか・微生物資材で土作りに力を入れて軽減を図り、安心・安全な野菜を学校給食にも提供している。アグリネットななえにも参加して農業体験も行っている。
(写真:吉田 清春さん)

社会福祉法人 清水旭山学園(清水町)

社会福祉法人清水旭山学園の運営する施設の一つに、知的障がい者授産施設旭山農志塾がある。この施設では、授産作業として、放し飼いの鶏から卵や鶏肉を生産、原木栽培の生シイタケ、農薬や化学肥料を一切使用せずにカボチャやトウモロコシなどを栽培するほか、ニジマスの養殖・加工なども手がけている。循環型生産活動と自然との共生の精神が徹底されており、収穫した生産物は、福祉施設の利用者や職員が自家消費しているほか、小売店にも出荷している。
(写真:常務理事の鳴海 孟さん・旭山農志塾施設長の太田 民生さん)

すこやか大地の会(栗山町)

1990年、100年続く栗山町のタマネギをもっと消費者に知ってほしいとすこやか大地の会を設立。現在10家族が所属している。硬くなりやすい地域特有の土壌で、いかに連作障害をなくすかということに取り組み、土壌物理性の改善、微生物資材、特別栽培など農薬を減らした栽培で、代表の西田さんの圃場では 60年にわたりタマネギ連作を行っている。また、タマネギの品種別にさまざまな料理を提案している。農業研修生の受け入れや、栽培履歴を全員が記帳し、各取引先へ提出している。
(写真:代表の西田 秀樹さん)

瀬棚有機生産グループ(せたな町)

2001年、有機JAS認証制度が始まり、04年、瀬棚有機生産グループの畑作専門部が大葉の有機栽培を始めた。大葉を生産するに当たり、大産地である茨城へ出向き研修、勉強をした。化学肥料、農薬を使わない有機栽培には、土づくりが大事という考えから、牛ふん堆肥、ぼかし肥料を自家生産し、畑や牧草地に使用している。有機JAS認証の厳しい継続審査に合格し続け、消費者に安全な有機大葉を届けている。
(写真:代表の武山 正悦さん)

松倉 貞義 氏(函館市)

先代から農業を継いで約50年。厳しい冬の屋外で糖度を増し、みずみずしさが特徴の「雪の下貯蔵大根」は、販売用に栽培を始めてから20年以上になる。昔から地域に伝わる貯蔵法だったが、販売用に拡大。ダイコンを腐らしてしまうなど失敗もあり試行錯誤の連続だった。土作りは、堆肥(牛ふん)や緑肥(ヘイオーツ)を使用し、化学肥料にできるだけ頼らず、除草剤は基本的に1回、殺虫剤を9月まで状態を見て散布し、10月以降はできるだけ使用しないよう必要最低限に抑えている。

漁業の部 漁業大賞 コープさっぽろ賞

羅臼漁業協同組合(羅臼町)

秋サケ、スケソ、タラ、ホッケ、昆布、ウニ、ホタテ稚貝などの漁業に取り組む。2006年に、全天候型衛生管理型市場・蓄養施設を建設。同時に低温清浄海水(海洋深層水)の取水を開始。同年より秋サケの中からブランドサケ「羅皇(らおう)」を選別して販売。秋サケの取り扱いは、08年まで8年連続日本一を誇る。
(写真左:専務理事 村椿 力男さん 中:常務理事の木野本 伸之さん 右:定置網漁業部会 副部会長 中谷 洋さん)

漁業の部 漁業大賞 漁業特別賞

奥尻潜水部会(奥尻町)

1986年に設立。主に、キタムラサキウニ、ナマコ、マボヤを養殖漁獲し、自前の加工所で加工したものを全国に出荷、販売している。資源の有効活用に積極的に取り組んでおり、「ホヤの塩辛」や「ワカメ芽かぶ」などの商品開発にも力を入れている。資源減少が危惧されるナマコの漁獲における量やサイズに自主的な基準を設けている。5人のメンバー全員が、潜水師の資格を持ち、毎年漁協などの依頼を受け、水深10メートル以上の深い海域から、約200万粒のウニを餌となる海藻の生えている浅い海域に移植する、深浅移植放流事業に参加している。
(写真:会長の松前 隆美さん)

漁業の部 漁業大賞 漁業奨励賞

上磯郡漁業協同組合(知内町・北斗市)

知内海域で養殖される「知内かき」は、身質が良く泥臭さがないことで定評がある。また上磯地区を中心とする「上磯ほっき」は、全道でも珍しく棒で突いて獲る「突き漁」。この他にも、“ふのり礁”を利用したふのり漁業や、マコガレイやヒラメ、サケ、ホッケなどでも知られる。出荷体制や加工においても独自の工夫を重ね、循環式活魚水槽の設置や、自然ろ過海水による洗浄やパック詰めなど、ベストな状態での出荷を行っている。さらに、お魚を殖やす植樹活動は20年以上継続しているほか、漁協女性部による料理教室、産地見学交流会などユニークな取り組みを数多く行っている。
(写真左:中ノ川支所所長 金子 久さん、右:総務部次長 富森 昌孝さん)

農業・漁業交流賞 交流の部 交流賞・札幌市長賞

レークランドファーム久保牧場(湧別町)

レークランドファーム久保牧場では、「酪農のすばらしさや食の大切さ」を伝える体験を主体にした教育ファームを実践している。久保さん自身が講師となり、家族の協力も得て、牛の世話や搾乳体験、バターやチーズ作りを通して、多くの子どもたちや都会の消費者への教育活動を行っている。2000年には中央酪農会議の「酪農教育ファーム」の認証も受け、敷地内にログハウスを整備してファームイン事業にも力を入れている。酪農経営においても、高品質の牧草を得るための土作りや、牛にストレスを与えないための適度な運動、清潔な牛舎の維持など、妻の美恵子さん、後継者の拓也さん・環さん夫妻と力を合わせ、経産牛60 頭を飼育。無理をさせずに搾乳し、牛の長生きと建物や機械、作業機を丁寧に使用して長持ちさせてコストを低減させる「牛に優しい経営」を基本に、自らの酪農のスタイルを確立して安定した経営を行っている。
(写真:代表の久保 隆幸さん)

農業・漁業交流賞 交流の部 特別賞

タコ箱漁オーナー in おびら実行委員会(小平町)

2007年北海道留萌支庁の独自事業と協力して留萌のミズダコのPR事業として始まったが、日本全国から2万件を超える応募があり、2年目からは、さらに漁業者も2名に増え、新星マリン漁業協同組合、小平町を中心に実行委員会を立ち上げ、続けている。一般の人にはあまり知られていない伝統的なタコ箱漁法にスポットを当て、漁業の現況や小平町のタコをもっと知ってもらおうと交流を続けている。また、全国に向けて募集しているため、タコの生態や食べ方など広くホームページで公開し、小平町のタコの認知度を上げる取り組みを行っている。09年度で最後と言われているが、今後は地元の漁業者が中心となり「タコ箱オーナー制」を継続していく決意を固めている。
(写真:委員長の林 博行さん)

農業・漁業交流賞 交流の部 奨励賞

ごとう農園(真狩村)

農業を始め35年。傾斜地を平らに均し、牛ふん、鶏ふん、麦わら、おがくずを混ぜて作った堆肥と緑肥で土作りを行って、農薬や化学肥料を減らすことを目指しながらキタアカリを中心にジャガイモを生産している。2006年には、第3回コープさっぽろ農業賞・奨励賞を受賞。消費者との交流は約20年前、豊饒祭などのイベントの対面販売で始まった。その後、家族や職場単位のイモ掘り体験の受け入れを始める。畑の中には大小さまざまなジャガイモがあること、ごとう農園の栽培方法や安全・安心へのこだわり、自然の大切さなどを体験を通して伝えている。また、枝豆やスイートコーン、ニンジン、トマトなどの収穫体験、里山の自然散策、くずイモ拾いなど企画も拡大。多くの人が楽しめる交流を行っている。
(写真:代表の後藤 進さん)

農業・漁業交流賞 作品の部 [絵]組合員賞

天塩のあおしじみ(葛西 里砂さん 稚内市・5歳)

天塩川でのしじみ漁を船にのって目の前で見学しました。自然保護区の中で大切に育った天然のしじみは10数年という長い年月をかけて本当に大きく育ち、黒いけれど光にかざすと青くひかり、きれいでした。小さいサイズのしじみは船上で選別された後すぐに川に戻されること、禁漁日があること等、小さな子どもでもよく理解できたようです。手のひらにのせてみた4〜5cm程の大きなしじみも食べてみたい気持ちをおさえ、再び川に戻しました。(禁漁日の見学だったので)

農業・漁業交流賞 作品の部 [絵]奨励賞

牛のお世話をしたよ(小野寺 広樹さん 千歳市・12歳)

家族で食の体験ランドに参加した時に江別の牛舎で牛のお世話をする事ができました。大きな牛を間近で見た時は驚きましたが、干し草をあげた時に食べてくれた時はとても嬉しかったです。

ヤギくん、ニンジンおいしいね!(鶴巻 千秋さん 函館市・8歳)

田んぼの草取り体験に家族4人で初めて参加しました。最初は「行きたくないから留守番している!」と言っていた8歳の次女でしたが、意外にも家族で一番草取り上手で、最初にゴール!あいがもに近づきたい一心で頑張ったのだそうです。今日、楽しかった事は何だった?と聞くと、「ヤギに会って、ニンジンの葉っぱをあげたこと」、「とれたてのニンジンが甘くてポリポリしておいしかったこと」でした。この日は、6月なのにとても暑く、その中での作業で家族みんなで汗をかき、有機農法の大変さを体で実感しました。土つきのニンジンも安心して食べられる大切さを知り、本当に良い体験ができたと思いました。

農業・漁業交流賞 作品の部 [写真]組合員賞

今年の主役に大サービス!(宮内 みずほさん 訓子府町・11歳)

牛年にちなんで、地域で牛を飼育されているお宅を訪ねて、初めて牛舎の見学をさせていただきました。最初は怖くて牛に近づく事もできなかった弟ですが、うれしそうに草を食べてくれる牛さんを見ているうちにすっかり大はしゃぎ。ちょっとしたお手伝い気分で、草もたくさんあげさせてもらいました。こんなに近くで牛さんを見たのは初めての事です。汗をかきかき、今年の主役の牛さんに草のごちそうを大サービスしていました。

農業・漁業交流賞 作品の部 [写真]奨励賞

ひぃばあちゃんとおいも掘り!!(宍戸 美由紀さん 湧別町・35歳)

息子が4歳の時に、ひぃばあちゃんと畑のいも掘りをしている時の様子です。鍬で掘り起こしたいもを息子がカゴに集め、いっぱいになると一輪車へ運んでいました。今年は、ひぃばあちゃんが体を悪くしてしまったため、野菜畑が少しさみしくなってしまいました。早く元気になって宝の山のような野菜畑になる事を願っている息子と母です。「早く元気にな〜れ」

頑張った証(あかし)(戸巻 聖さん  七飯町・36歳)

軍川の農家様のご協力のもと、軍川小学校との交流を兼ねた合同田植え体験会でのワンショットです。初めはどろんこに抵抗のあった子どもたちも夢中になるうちに、おっとっと…、あれあれ〜、ドボン。一生懸命挑戦したからこその“おしり”です。

農業・漁業交流賞 作品の部 [作文]組合員賞

牛さん、ありがとう。(西川 月稀さん 札幌市・8歳)

牛乳が大好きな娘が豊富町の酪農体験ツアーに参加しました。予想以上に大きな牛にびっくりして、恐る恐る近づきましたが、牛の体温とおっぱいの柔らかさを感じ、お乳が搾り出されると感動しました。牧場体験を通じて、酪農の現場を知り、食べ物の大切さを学ぶ貴重な体験となりました。

※[作文]奨励賞については該当者なし

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