【第7回】農業大賞(2010年)
※社名、肩書き、名称、年齢、文中の数字などはすべて受賞当時のものです
農業の部 農業大賞 北海道知事賞
ノースプレインファーム(株)(興部町)
1898年以来4代続く農家。1988年、牧場の一角にミルクプラントを建て、牛乳の宅配を手がけたのが、会社としてのノースプレインファームのスタート。今では従業員も100人近くになり、バター、チーズ、ヨーグルト、生キャラメルなどの乳製品を始め、肉製品やお菓子なども生産。また、札幌、旭川、横浜などで直営レストランやショップも経営するなど、多彩な事業を展開。大黒氏は『小さな農家がたくさん点在し、その農家とともに地域経済が活性化されることが、ノースプレインファームの目標であり、願いです』と力強く語ってくれました。
(写真:代表取締役の大黒宏さん)
農業大賞 コープさっぽろ賞
(株)しみず農園(北斗市)
北斗市で、畑12・5ヘクタール、水田10ヘクタールを、奥様と2人で営農。2000年から有機栽培を開始、08年には、JGAP、有機JASを取得。現在は、JGAPの指導員としても活動中。清水氏のこだわりのひとつに、陰暦の活用があります。作物は月の満ち欠けなどによって生長が左右されるので、そのサイクルに出来るだけ従った方が、無駄なエネルギーを使わずに美味しい作物を作れるから、と笑う清水氏。道南の地で意欲的に農業に取り組んでいます。
(写真:代表取締役 清水千万幸さん)
農業の部 農業大賞 農業特別賞
あしだ農園(千歳市)
兵庫県出身、大阪の大学で商業を学んだ後、恵庭市で農業研修を受け、2001年、千歳市に新規就農。現在は、ダイコン、カボチャ、菌床シイタケなどを生産。2009年にはカボチャのJAS有機認証も取得し、さらなる有機農業に取り組んでいます。また、2004年には石狩南部の新規就農者で『うまうま商店』というグループも立ち上げ、直売や交流会などの活動も展開中。
(写真:代表の蘆田裕介さん)
JA帯広大正馬鈴薯生産部会(帯広市)
部会員数158人。2007年には『大正メークイン』の名前で、地域団体商標登録。現在のメークイン作付面積は、全道の3割のシェアを持つまでになりました。2003年には、所属全戸がリーフチョッパーを導入、これにより農薬使用を軽減し、翌04年にYES!cleanも取得。またトレーサビリティにも積極的に取り組んでいて、例えば出荷する段ボールには全て生産者番号を記載するなど、その活動は、多方面から注目されてもいます。
(写真:部会長の西田高尚さん)
内藤あんがす牧場(安平町)
1982年就農。アンガス牛にこだわり、現在すべての牛がアンガス種。牧場の名前をあえて平仮名で表記しているのは、輸入牛では無い、という意味もこめてのこと。1989年から『早来あんがす牛』ブランドで産直開始。86年からは、首都圏コープ(現パルシステム生協)との取引も開始。また、05年からはすべての餌を国内産に切り替えました。これからもアンガス種にこだわって、安心・安全で健康な肉を提供していきたいと、意欲的に酪農に取り組んでいる内藤さんです。
(写真:代表の内藤順介さん)
村上牧場(せたな町)
草地面積に見合った規模を守ることが環境に負荷をかけない酪農になる、ということから家族経営を貫いている村上さんは、2006年から昼夜放牧に転換。また、96年にはアイスクリーム・ケーキ工房、08年にはチーズ工房も開設。地元はもちろん、札幌などのレストランでも高い評価を受けています。『草や土作りから始める酪農が、やりがいであり、生きがい。農家、という文字の通り「農」と「家」を大切にしながらこれからも牧場を営んで行きたい』と、村上氏は笑顔で話してくれました。
(写真:代表の村上信雄さん)
農業の部 農業大賞 農業奨励賞
JAびえい白金アスパラガス生産部会(美瑛町)
およそ60年の歴史を持つ美瑛のアスパラ栽培ですが、現在は、日本ではここだけ、という品種ラスノーブルが60%を占めています。もともとはフランスの品種。収量は、主流のHLA-7に比べて、決して多くは無いのですが、JAびえい白金アスパラガス生産部会のメンバー160人は、その美味しさにこだわって生産を続けています。
(写真:部会長 植田勝夫さん)
(有)秀明ナチュラルファーム北海道(せたな町)
自身のアレルギー疾患がきっかけで新規就農した、という富樫さんは、自然尊重、自然順応をキーワードに、水田、大豆、菜種、野菜を栽培、2010年、全ての圃場で、有機JAS認証を取得しました。また、地域とのつながりも大切にしていて、自家製の豆腐と納豆を宅配、さらに今では14種類もの加工品を生産、食育にも取り組むなど、ますます意欲的な富樫さんです。
(写真:代表取締役の富樫一仁さん)
(株)大地のMEGUMI(大空町)
20年にも渡るグループでの活動を経て、2009年会社組織に。スタッフ5人で、145ヘクタールの耕作地を持っています。01年には、北海道でもいち早くJAS有機認証も取得、いわゆる農業の6次産業化にも積極的に取り組んでいます。また、地域の子どもたちへの食育事業にも力を注いでいて、体験農場、食に関する授業、料理講習会など、その活動も多彩です。
(写真:代表取締役 藤井雅喜さん)
(有)別海町酪農研修牧場(別海町)
『意識の高い酪農の担い手を育てる』ことを目的に、第3セクターとして1996年に牧場を開設。翌年から、全国からカップルを基本に研修生を受け入れていて、2010年3月までに、45組が町内で新規就農しています。牛乳生産についてもISO9000シリーズを取得、また、町内の小中学生の見学、体験にも積極的に取り組んでいます。
(写真:取締役牧場長 谷野利一さん)
(有)渡辺農場(三笠市)
1991年に就農した渡辺さんは、2006年から新規就農を目指す研修生の受け入れにも積極的に取り組んでいます。独自のクローバー栽培という農法にもチャレンジ。この農法で生産した玉ねぎは『幸せのクローバー玉ねぎ』という自社ブランドで出荷しています。また、調理用トマト『シシリアンルージュ』や小玉スイカの『マダーボール』などひと味違った人気品種も、若い研修生とともに生産。常に意欲的な渡辺さんです。
(写真:代表取締役 渡辺辰一さん)
漁業の部 漁業大賞 コープさっぽろ賞
根室湾中部漁業協同組合女性部(根室市)
ラムサール条約登録湿地の風蓮湖と温根沼の2つの汽水湖があるエリアにあるのが根室湾中部漁業協同組合。カレイ、チカ、アサリ、ホッキなどを水揚げしつつ、1997年には、直売店『かおっと』をオープン、女性部を中心に鮮魚や加工品を販売しています。また『俺のおっ母のほっき飯の素』というレトルトパックも開発、1ヶ月で1000食も売り上げるほど好評。さらに学校給食への食材の提供、料理講習会、植樹、景観保全など、多彩な活動を、厳しい自然の中で行っているパワフルな浜の女性たちです。
(写真:部長 酒井昌子さん)
漁業の部 漁業大賞 漁業特別賞
稚内機船漁業協同組合(稚内市)
ほとんど食用としては流通していない魚オオナゴの知名度アップと消費拡大に取り組み中。2009年には、経済産業省から農商工連携事業の認定も受けています。さらに、現在は、地元の給食食材や飲食店向けとして提供したり、全国に向けて情報発信したりと、オオナゴの一層のブランド化を目指しています。
(写真:代表取締役 欠畑優さん)
漁業の部 漁業大賞 漁業奨励賞
日高地区漁協女性部連絡協議会(浦河町)
市場に出ないで廃棄されてしまう水産資源を『埋もれた食材』として捉え、その有効利用に700人以上の協議会の女性会員が取り組んでいます。2008年には『日高の埋もれた食材レシピ集』を作成、また、見た目が悪いために廃棄されていたオニカジカを使った昆布巻も開発しました。そのほかにも地元の高校生を対象とした料理教室や、JA女性部と意見交流会も開催するなどますます元気に活動を続けています。
(写真:会長 住岡操さん)
農業・漁業交流賞 札幌市長賞
砥山農業クラブ(札幌市)
札幌市内有数のくだもの産地の砥山地区で、農業を営む8戸が集まって結成されたのが、砥山農業クラブ。2000年のスタート以来、様々な活動を続けています。2003年には、小学生とその家族を対象に『農業小学校』も開校。また、地域のイベント『八剣山さくらんぼ祭り』も主催。「これからも都市住民のみなさんとの交流を通じて地域の活性化に取り組んで行きたい」と代表の瀬戸修一さんは話します。
(写真:代表 瀬戸修一さん)
農業・漁業交流賞 奨励賞
北いぶき農業協同組合 妹背牛支所(妹背牛町)
地域の60人の生産者の9割がYES!clean栽培、エコファーマーに認定されている妹背牛支所は、1998年に『妹背牛町クリーン農業推進協議会』を設立、さらに2000年には『コープさっぽろ産地指定ふれあい農園』も設置するなど、生産者と消費者を結ぶ交流活動に積極的に取り組んでいます。
(写真:代表理事組合長 渡会寿男さん)
農業・漁業交流賞 審査委員会特別賞
北海道漁協女性部連絡協議会(全道)
現在、北海道の漁業女性部員はおよそ9500人。そのパワーを結集した『浜のおかあさん料理教室』は、1991年にスタート、開催100回を数え、北海道の食育に大きく貢献してきました。また、04年には料理本も作成するなど、その活動はさらに大きく発展しつつあります。
(写真:会長 新谷恭子さん)