2026.2.4
-Story03- 「一番人気を変えるなんて!!」 販売を担うバイヤーの証言

組合員さんとつくるお惣菜の「たれ」開発ストーリー。最終回は、農産・畜産・水産、3部門のバイヤーに話を聞きました。今回、商品開発の”お題”となったのは、いずれも各部門の人気ナンバーワン商品。だからこそ、味付けをあえて変えることには、少なからず迷いがあったといいます。その葛藤と覚悟の裏側を、率直に語ってもらいました。
戸惑いから始まりました。
——店舗での販売を担う3部門のバイヤーさんに集まっていただきました。今回の開発プロジェクトでは企画の初期段階から開発に携わったと聞いています。
山本(畜産部バイヤー) 私と尾野さんは最初からですが、那須さんは途中からですよね。
那須(水産部バイヤー) 私は着任したばかりで、開発そのものには携わっていなくて。
尾野(農産部バイヤー) じゃあ、一番大変だったところを知らないわけだ!(笑)
那須 前任から少し聞いてはいますが、全貌までは……。
山本 では、スタートから話しますね。まず髙森さん(商品開発部長)から、「大惣菜化プロジェクトの商品で、何が一番売れてる?」と聞かれました。「和風ハンバーグです」と答えたら、間髪入れずに「ソースを変えてみたいんだけど」、と。正直、「えッ!」って言葉に詰まりました。すでにお客さんが付いている一番人気の商品ですから、味付けは変えたくない。それが率直な気持ちでした。
尾野 農産も同じです。「一番売れているドレッシングは?」と聞かれて、サラダ用に別添えで小袋販売している玉ねぎドレッシングを開発することになりました。ただ、小袋なので単価がそこまで高くない分、山本さんほどの衝撃はなかったかもしれません。
——商品開発のプロではない、消費者代表の組合員さんと一緒につくることに、不安はありませんでしたか?
山本 それに関しては、不安よりも、むしろ期待の方が大きかったですね。「組合員さんとつくる」というのは、組合員さんとの距離が近いコープさっぽろならではの取り組み。打ち出し方次第では、面白い展開になるかもしれないと思いました。
率直な声が、道しるべになった。
——最初の試食会で農産のドレッシングは一発OKだったそうですね。
尾野 即決でした。メーカーさんのご努力には、本当に頭が下がります。
——一方で、ハンバーグのソースは意見が割れたとか。
山本 組合員さんに聞いたら、6:4ぐらいで既存のソースが支持されました。その結果には、逆にホッとしたんです。「やっぱり、これまでおいしい商品を提供できていたんだ」と確認できたので。もちろん、メーカーさんはクオリティの高い試作品を持ってきてくださいました。ただ、「酸味が強い」という声があり、また一方で「味がしっかりしていい」という評価の声もありました。そこに可能性を感じて、試食会後に髙森さんとも意見交換を重ね、メーカーさんにはさらにブラッシュアップしてもらいました。
2回目の試食会では、味の強さはそのままに、酸味を抑えた試作品が登場し、満票で既存のソースを上回りました。
——どんなソースに仕上がりましたか?
山本 ハンバーグのお肉に負けない深い味わいでありながら、後味はさっぱりとした和風ハンバーグソースです。
——農産の玉ねぎドレッシングには、どんな特徴がありますか?
尾野 北海道100シリーズの「道産大豆100%使用丸大豆の特選醤油」を使うなど、素材にこだわりました。大惣菜化プロジェクトでは「おとうふのサラダ」や「えびとアボカドのサラダ」などを展開していますが、どのサラダにも合わせやすい、汎用性の高いドレッシングに仕上がっています。
——水産の味噌だれはいかがでしょう。
那須 大惣菜化プロジェクトで扱う、銀だらの西京焼きや銀ひらすの西京焼きの漬け地として使います。原料には、なるほど商品「米麹が生きる白こし生みそ」を使っていて、白身魚の淡泊な味わいにも、脂ののった魚にも合うのが特徴です。惣菜だけではなく、水産コーナーでは漬け魚としての販売も予定しています。
つくって終わり、じゃない。
——組合員さんとの商品づくりを振り返ってみて、いかがですか。
山本 さすがだなと思ったのは、忖度なしに、ストレートな意見をくださったことです。それも「良い商品をつくりたい」と、ジブンゴトとして捉えてくださっているからこそ。おかげで、自信を持ってお届けできる和風ハンバーグが完成しました。このソースを生かして、さらに新しい商品開発にもつなげていきたいですね。
尾野 玉ねぎドレッシングについては、「冷や奴にも合いそう」など、ユーザー目線でさまざまな提案をいただきました。次は、このドレッシングに合うサラダそのものを、組合員さんの声から開発していくのも、面白いかもしれません。
那須 PB扱いの調味料が増えれば、製造コストを抑えられる可能性もあります。そうなれば、価格は変えずにボリュームを増やしたり、つけ合わせを充実させたりと、コスト改善をそのまま商品価値に変えられる。結果的に、組合員さんに還元できるんじゃないかと思っています。
尾野 せっかく良い商品が完成したので、ここで終わらせず、次の展開につなげていきたいですね。
——率直な声が商品を育て、その先のアイデアを連れてきました。「組合員さんと一緒につくる」商品開発は、これからも続きます。



